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生物応用化学科
生物応用化学専攻

受験生の皆様へ

先輩より

先輩(生物応用化学科学生・大学院生)からの受験生へのことば

学生より、本学での研究を志す方への一言を述べていただきました。教官名の50音順で紹介します。

丸山 恵美さん (現在、生物応用化学科4年生)より

 勉強、研究、アルバイト、遊び、、、、、、大学生のイメージってどんなのですか? もちろん勉強や研究などするべきことはありますが、それを含めて、大学というのは自分次第でどれだけでも楽しく、おもしろくできる場所です。
さあ、楽しい未来に向けて今できることからがんばっていきましょう。

井阪 僚さん (現在、生物応用化学科4年生)より

 みなさん、受験生楽しんでいますか? 模擬試験やオープンキャンパスでいろいろな場所に行けて、それなりに楽しめるのではないでしょうか。
そろそろ自分のやりたい事を自分で決めるという自由(厳しさもありますが)を実感してきた頃ではないですか? 大学では受講する授業から研究分野、バイトまで、選択の幅がぐっと広がります。
希望とか夢とか、具体的に自分が何をしたいのか。それさえしっかり持っていれば、自ずと希望に近づいていきます。
受験生受験生って圧迫感じてたら損!
受験時代にしか得られない経験もあるのです。受験生活を楽しんでいきましょう。

大西 正浩さん (現在、大学院博士前期課程1年、生物応用化学専攻)より

 私が研究している分野は生物化学で、主に酵素について研究しています。酵素とは生体中の反応を触媒する蛋白質であり、我々の研究室では主に土壌に生息する微生物から目的の酵素を産出するものを見つけ(スクリーニング操作)、その酵素の性質や精製(高純度の酵素溶液を作る)等の研究を行っております。
その中で、私はフィターゼという酵素を扱っており、このフィターゼは家畜用の飼料に添加することで飼料の栄養価値を更に高める事ができる酵素で、市販されているフィターゼ酵素(カビ由来のフィターゼ)よりも高い耐熱性を持ち、酸性領域でも活性を示すような新規なフィターゼ酵素の発見をテーマとして研究を行っている。現在までに、高い耐熱性を持ったフィターゼを産出する微生物を発見し、そのフィターゼ酵素の精製方法を確立して、その酵素自体の性質を明らかにし、このフィターゼ酵素を構成している塩基(アミノ酸)配列を決定してきた。現在は、フィターゼ酵素を低コストで、短時間で生産でき、より生産性を上げることを目標に、クローニング(遺伝子操作)や異なる種である大腸菌等で発現させようと試みています。
皆さんは大腸菌や微生物等と聞いて、悪いイメージを持っている方もおられると思います。しかし、微生物の中には様々な酵素を生み出すものもあります。例えば、フィターゼ以外にも環境汚染物質や有害な物質を分解する酵素や燃料電池に用いる酵素等も微生物から産出でき、素晴らしい可能性を持った生物であると思います。
大学では、自由であり面白く楽しい時を過ごせる場所ですが、それは皆さん自身が考え、行動にうつすことができるかどうかだと思います。自由であると、余計に時間が経つのが速く感じ、あっという間に過ぎていくでしょう。その間に何ができ、行動することができるかが重要になってくると思います。受験勉強は大変つらいと思いますが、大学は素晴らしいところですし、是非大学へ入学できるよう頑張ってください。

柳原 佳奈 さん (現在、大学院博士前期課程1年、生物応用化学専攻) より

 私の研究は、動物細胞培養の改善です。現在、医薬品(抗体、インシュリン)などの生産や、バイオ人工臓器の研究に、動物細胞が用いられています。しかし、動物細胞は増殖が遅いために、培地(ビタミンやアミノ酸を含み細胞を培養するためのもの)にウシ血清を添加しています。ところが、ウシ血清を使用することで狂牛病などの懸念があります。そこで、私の研究室では、ウシ血清の代わりに絹から得られるセリシンを用いることができないか研究しています。
1つの実験からは、見方によって何通りもの可能性を見出すことができます。その可能性が正しいかどうかを新しい実験で確かめて、日々少しずつ結論に向かっています。1つの研究をするには、根気と体力が必要であることを常に実感させられます。それと同時に、新しい発見を期待してわくわくしたり、がっかりしたり、高校では味わえなかった研究のおもしろさを味わっています。
また、教科書の写真や絵でしか見たことがなかった動物細胞が、培養してみて始めて身近なものに感じられました(今や、細胞は私にとってペットのような存在です)。細胞は、観察しているだけでも色々なことを教えてくれます。例えば、ウサギの角膜細胞は、培養皿に付着して増殖し、細胞密度が高くなると膜状の形態を示し、決して細胞の上に細胞が増殖することはありません。このことより、角膜細胞の持つこの性質が、角膜という組織を構成する上で重要であることが理解できます。
大学での経験は本当に自分を成長させてくれます。特に、学会では、最先端の工夫や知識を学べ、自分が何をするべきかを理解する上で大変役に立ちました。スペインのグラナダで開かれた国際学会では、よりグローバルに研究分野について学ぶ事ができました。海外での研究発表は本当にすばらしいものです。大変貴重な経験をさせていただきました。
大学に入ると新しい未来が待っています。来るべき未来に Good Luck !!

田中 基晴さん  (現在、大学院博士前期課程1年、生物応用化学専攻)より

 私が研究している有機化学について紹介します。
有機化学とは、化学IIを学んだ方ならお分かりだと思いますが、文字通り、有機物を含むものを合成したり、調べたりする学問です。現在私は、この有機化学の研究室で、ブレフェルジンA(抗がん剤の一種)という天然物の合成を研究中です。天然物は複雑な構造をしているものが多く、紙の上でいくら考えても、実験を行なうと予想外のことが多く起こります。
また、有機反応では立体を制御することが非常に重要になります。例えば、"味の素"のうま味成分であるグルタミン酸にはD体とL体という2つの立体異性体がありますが、人がうま味として感じるのはD体のみで、L体はほとんど味を感じないか、苦いと感じるかでうま味としては認識しません。また、薬として複雑な化合物を合成しても、一部の立体が違うだけで薬効がなくなったり、別の効果が出てきます。このような例から分かるように、有機反応で立体を制御することは非常に大事ですが、難しいことでもあります。しかし、現在行なっている研究では、天然にしか存在しないそのような複雑な化合物を、自分の手で作ることができることが、一番の面白い点であります。さらに、その実験から新しい発見や知識を得ることができます。
大学は非常に自由な場所で、また、いろいろな人がいるため様々な考え方を見ることができます。また、いろいろな授業があるので、多くの知識を得ることが出来ます。"良く学び、良く遊べ"と言いますが大学はまさにその言葉を体現する場所だと思います。しかし、決して大学に入るのが目的ではなく、大学に入って何を学びたいのかをしっかり考えて、大学や学部、学科を選んで下さい。そうでなければ、せっかくの4年間を無意味に過ごすことになります。最後に、ぜひ受験に勝って楽しく有意義な4年間を迎えれるように応援します!

石村 純一さん  (現在、大学院博士前期課程2年、生物化学工学専攻)より

 私の研究は人工臓器に関わるものです。この分野の中で、私は、人工肝臓に用いる細胞を作り出しています。そして、動物細胞工学の技術を用いています。
動物細胞工学とは、様々な生物の細胞を用いて、その遺伝子を変化させて有用な機能や物質を作り出す分野です。
現在、世界各国で、肝臓移植のためのドナー(提供者)不足は深刻な問題になっています。
そこで、ドナーに代わるものの研究が進められています。その研究の一つは、肝細胞と血液を循環させる装置とを組み合わせたハイブリッド型人工肝臓と言われるものです。
この装置は運転期間が数日間と短いため肝臓移植までの補助装置となっています。
しかし、人工肝臓の長期間の使用が可能になれば、移植までの橋渡しに加えて、移植を待つ必要がなく患者自身の肝臓再生を誘導できると考えています。
そこで、私は、この人工肝臓に用いられる細胞の生存を延長させることで、装置を長期使用できると考え、長期間生存可能な細胞を作成しています。具体的には、ヒトの肝臓細胞にある遺伝子を導入し、生存日数を延長させて、さらに肝臓の機能を高めるということを行っております。この研究成果は、再生医療学会などの国内の学会や、スイスで開催されるバイオテクノロジーに関する国際会議(もちろん英語)などで報告してきました。
大学とは、多くのことを同時にすることができる素晴らしい場所です。多くのことを経験する事によって、今の自分が理解でき、本当にやりたい事は何なのかが分かってくると思います。
受験勉強は、とてもつらく大変だと思いますが、ぜひ頑張って大学に入り、本当の自分を見つけて欲しいと思います。

廣垣 和正 さん  (現在、大学院博士後期課程1年、ファイバーアメニティ工学専攻)

 私は繊維を主とした高分子材料に関する研究に携わっています。
繊維というと皆さんはシャツやズボンなどの衣料品をまず始めに浮かべると思います。確かに繊維の需要の大半は衣料用途ですが、実際にはそれ以外にも、私達の生活の中で様々な場所に使われています。ほんの一例ですが、スポーツ用品や家屋の建材、光りファイバーから車のタイヤにまでも使われています。当然のことながら用途が違えば繊維に求められる性能も違ってきます。それらの要求に答えるためには繊維の分子構造を一から設計したり、または既存のもの改質したり機能化します。そんな中で私は既存の繊維の強度を向上させる研究に取り組んでいます。
PET(ポリエステル)繊維は工業的に非常に重要な繊維です。PET繊維は衣服の材料にもよく使われるので、皆さんにも馴染みの深い繊維だと思います。現在、市販されているPET繊維は、その強度が分子式から考えられる理論値の数%程度しかありません。もしPET繊維が理論どうりの強度を持つなら、断面積1mm2の繊維で3頭の子象を吊することができる計算になります。
繊維は長い分子の鎖を束ねた構造をしています。この分子の鎖が綺麗に並んでいれば、繊維の強度は理論どうりの値を与えますが、実際の繊維では分子の鎖の並び方に欠陥が多く、それが繊維の強度低下を招いています。PET繊維の強度が理論値を遥かに下回るのもそのためです。そこで私は超臨界流体という特殊な流体の中で、PET繊維の分子の鎖の束を緩めてやり、それを理想的な構造に並べ直すことで、繊維の強度が向上できると考え、研究を進めています。
これから大学受験を迎える皆さんの中には、自分のやりたいことが明確な人もいると思いますが、大多数の人が漠然とした方向性しか持たず、自分が何をしたいか判らない状況にあるのではないでしょうか?大学は専門知識や技術の修得のなどの社会へ出るための準備をする場所でもありますが、自分のやりたいことを明確に捕らえるための場所でもあると思います。勉学や研究はもちろんですが、他にも様々な人々との出逢いや数々の経験を通して、自分自信の興味や能力または適正などが判ってきます。そうすれば自ずと、やりたいことや将来への展望が見えてくると思います。
受験勉強は大変ですし、将来のことを考えて色々と不安なことも多いと思いますが、それに挫けずに、自分のやりたいことが明確な人はそれへ向かって、また漠然とした方向性しかなく、自分が何をしたいのか判らない人はその漠然とした方向性を信じて、受験する大学や学部、学科を選択し、受験を乗り越えていって欲しいと思います。

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